2020/02/25 (更新日:2020/03/06)
身近に履いている靴の底からわかること③
靴底が前側の足指のつけ根だけがすり減っている, 靴底が親指と第2指とかかとのやや外側がすり減っている
靴底のすり減り方、減り具合からわかる骨格のゆがみと腰~脚(股関節~ふともも~足先)への影響
先回の続きになります。
※靴の底(靴底)とは、靴の裏(靴の接地面)と中敷き・インソールの表面(足の接地面)をさします。
4)前側の足指のつけ根だけがすり減っている。
立位では、腰が伸び切っていない前かがみ姿勢。(くの字)
歩き方では、すり足歩行、小刻み歩行、極端な前のめり歩行がみられます。
骨格のゆがみでは、
猫背、骨盤のゆがみ傾向が強度で、高齢者に比較的多くみられます。
※先回掲載(2月18日)の1)~3)と
今回の4)に共通していることは、すべて骨盤のゆがみの傾向が多く、重心を支えている重要な足が骨盤に大きく影響をうけていることがわかります。
この場合では、
股関節の可動域が狭く足があがりにくい。膝関節が完全に伸びていない。(屈曲制限・くの字)
腹筋と太ももの前(大腿四頭筋)の筋肉低下。ふくらはぎの筋肉とアキレス腱が硬いことも特徴です。
立位では、重心を足で支えきれないため体のバランスがとれていない。
歩行時では、猫背により前かがみになり視界が狭くなり、股関節の硬さから足があがりにくくなり、
足の運びが、すり足歩行になります。普段から歩行時や移動する時につまづきや転倒にも気をつける必要があります。
腰椎狭窄(椎間板ヘルニア)、足のしびれ、脚(股関節~足)に痛みや不調があることが多いです。
また、この歩き方は、脳疾患(パーキンソン病)や先天性脳疾患に該当することがあります。
対策として、
内科的原因ではない骨格のゆがみのである場合では、立ち方と歩き方を自力で修正することは困難です。
したがって、順序として、
1.全身の骨格を正していくこと。特に猫背、骨盤を整えていくこと。
2.腰~足にかけての筋力のストレッチと筋トレと足関節と足指関節の可動域を拡げる運動をすること。
3.1と2が改善されていくと自然に猫背と骨盤が整い、よい姿勢になっていきます。
1~3の改善によって、からだの重心が足全体に伝わることで、前側だけの靴底のすり減りが解消されていきます。
※先回掲載(2月18日)の内側だけ、外側だけがすり減っている。
この場合では、根本的に改善していくには、全身の骨格を整えることが大切であるため、整体等に相談されることをお勧めします。(内科的な原因は除く)
5)親指と第2指のつけ根とかかとのやや外側が左右均等にすり減っている。
好ましい靴底のすり減り方は、親指と第2指のつけ根とかかとの部分が左右均等にすり減っていることです。
この場合では、
・比較的姿勢がよい。
・骨格が整っている。
・股関節~足指の関節の可動が正常である。
・筋力が衰えずに維持できている。
ということが考えられます。
したがって、立ち方、歩き方、あらゆる動作に対して、
からだの重心が中心にあって、バランスがよく左右の足でしっかりと支えられている状態であり、立ち方、歩き方も問題がないことが言えます。
よい姿勢で立つ・よい歩き方をすることで、からだのバランスが整い、筋力も保たれます。
そうすることによって、靴底のすり減り方が左右違ったり、偏ったり、まばらになることが少なくなっていきます。
皆様のご愛用の靴の底を確認していただき、2月11日から3回にわたってお伝えしました内容をお読みいただき、今後の参考にしていただけましたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。