2020/06/25 (更新日:2020/06/25)
小学3年生~中学生に気をつけてほしいせぼねのゆがみ
毎年5月6月に8年前から、市内の小中学校や地域にて健康つくり講座に講師として活動させていただいております。
今年の講座は、新型コロナウイルスの影響で中止ということになりました。
今回と次回では、このブログ記事をお読みいただきたい9歳~15歳くらいの学生さんの保護者の方向けに紹介したいと思います。
2019.10.8/ブログ記事
◆日常生活における姿勢や動作について 同時に参照ください。
小学3年生~中学生の学生さんへ
成長期であるこの時期に自分自身の姿勢を見直してみてください!
学校では、毎年4月に生徒の健康状態把握のため、保健調査で運動器の状態についての通知があり、用紙を提出するようになっています。運動器の内容のひとつに側弯症検診が義務づけられています。
※側弯症とは、先天性の場合もあります。
ここでは、思春期の女子に多い突発性側弯症と機能性側弯症について説明します。
・突発性側弯症は、原因不明で最も頻度が多く発症します。
・機能性側弯症は、姿勢が悪くなることからせぼねのゆがみを発症すること、体のどこかに痛みがあって慢性的になり、せぼねのゆがみを発症することが挙げられます。
進行していかないためにも、早期に発見することが重要です。
せぼねのゆがみや側弯症は、心身にどのような悪影響が出てくるか?
以下、ゆがみが強くなる場合では、
1.見た目の容姿が、姿勢が悪い、ねこぜ、立っている時や歩行時に背中が曲がっている。進行すると精神的にコンプレックスやうつ状態になる。
2.胸郭や肋骨の変形が起こる。横隔膜と肺の役割が機能低下する。呼吸機能の低下につながってしまう。
3.壮年期(30歳以降)からせぼねの老化と骨粗鬆症(骨密度の低下)を速めてしまう。背部痛、腰痛、膝痛が起こりやすくなる。
<家庭でも簡単に確認することが出来ます。>
図1参考にして下さい。肩幡くらいに足を前にまっすぐ立って膝が曲がらない程度に床に両手を近づけます。(前屈動作)
この時、後ろから背中と同じ高さから見て左右の背中の高さが均等であれば、異常ありません。
一方、どちらか左右の高さが違い場合はせぼねが横にゆがんでいる(側弯症)可能性が高いです。(図1・④)
該当していると思われる場合は、整形外科のレントゲン撮影をお勧めします。当院でもご相談していだだけるとよいかと思います。
人間のせぼねは、小学低学年ごろまでは、S字形成させていません。個人差はありますが、小学高学年から中学2年生ごろまでにほぼ完成されます。18歳頃になると完全にS字の形が出来てきます。
S字とは、からだを横から見てせぼねの配列が、ゆるやかなS字になっていることが理想の形です。(図3)
骨模型の上から
頸椎(7個の椎体から連結構成)は、ゆるやかな前弯
胸椎(12個の椎体から連結構成)は、ゆるやかな後弯
腰椎(5個の椎体から連結構成)は、ゆるやかな前弯
骨盤(2個一対)は、ゆるやかな前傾
図2 後ろから見たせぼね・骨盤
図3 横から見たせぼね・骨盤
正しいS字が形成される前である特に9歳から15歳ごろがここに該当します。
悪い姿勢によってS字が崩れたまま成人を迎えると正しいS字形成に戻りにくくなってしまいます。
特に青年期(20歳以降)に肩こり、腰痛などからだの不調になる原因になったり、正しい姿勢が崩れて、ゆがみを形成させてしまいます。
・全身特に体幹への衝撃を吸収する。
・からだのバランスをとる。
など体にとって、重要な役割になっています。
このせぼねのS字形成がされていないと青年期以降になった時に、正しい姿勢がとれなくなったり、ねこぜ、側弯症の進行、骨盤のゆがみにつながってしまいます。
せぼねのゆがみによって月日を経過し、悪い姿勢習慣がクセとして蓄積される前に正しい姿勢を日頃から意識して気をつけていくことが大切です。
次回も、今回の続きです。
・せぼねの形成が完成する前に事前に予防していくこと
・日頃から、姿勢に気をつけるコツ
などをお伝えしていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。