2020/08/11 (更新日:2020/08/31)
小学高学年~中学生に多い成長痛について①
先回6月25日、30日ブログ記事掲載のせぼねのゆがみ、身につけたい姿勢について
と同様に、
毎年5月6月に8年前から、市内の小中学校や地域にて健康つくり講座に講師として活動させていただいております。
今年の講座は、新型コロナウイルスの影響で中止ということになりました。
今回は、小学高学年、中学生、高校生の学生さんの方向けです。
保護者の方もにこのブログを通じて知ってもらいたいことをお伝えしていきます。
当院に来院される小学高学年~中学生に多くみられる成長痛によるケガや痛みについて
ほとんどの学生さんは、運動、部活動による練習や試合で痛みを発症して来院されます。
ここでは、運動やスポーツによる成長痛についてお伝えします。
成長期では個人差がありますが、身長が短期的に伸びます。
急激に骨端が伸び、同時に筋肉や腱も引き伸ばされたところにスポーツ活動(部活動)で同じ動作のくり返しが多くなります。
この場合、各関節に屈伸やひねりがくり返され外傷(ケガ)が発生して痛みを発症することになります。
成長期の骨では、骨の両端には、骨と骨の間に隙間があります。20歳過ぎには、すべての骨の隙間が閉鎖され骨が癒合され1つの骨としてつながります。
骨端核が閉鎖して骨癒合するなでには男女差、個人差があります。
同じような条件下で運動をしても全く成長痛がなく痛みが出ないこともあります。
少し難しい話しかもしれませんが、もう少し詳しく説明します。
成長期の骨は厚い関節軟骨で覆われています。
1.骨端は絶えず長軸方向の圧をうけている。
圧迫性骨端→骨端線離開 骨と軟骨の間が圧迫されている。
2.筋肉の付着部の骨隆起のところで絶えず筋肉の牽引力をうけている。
牽引性骨端→骨端炎
成長期の負傷(ケガ)の多くは、この骨端線離開と骨端炎から痛みや不調につながり負傷します。
・成長期では、まだ体が完成されていません。20歳~22歳頃まで骨、関節、筋肉(骨格筋)は成長段階です。
・成長痛になりやすい年齢は、運動量が活発になってくる10歳頃から18歳頃です。
・特に中学生は影響をうけやすい時期で多くなります。
成長痛につながりやすい原因は、
1)運動量に対して筋力が備わっていない。筋肉の柔軟性がない。
2)先天的、遺伝的に体が硬い。(関節・筋肉)
3)猫背気味、姿勢が悪い。
4)全身の各関節の変形が元々ある。
5)体のバランスが悪い。間違った体の使い方をしている。
6)長期間にわたり、各種目の動作・フォームが崩れたまま行っている。
7)練習時間が多い
8)運動活動で週に定期的に決まった曜日に休養日がない。または、少ない。
などがあげられます。
練習で痛みを我慢して行うことは、
・炎症が強くなる。
・痛みがひどくなる。
・痛みを感じる期間が長くなる。
・長期になると体のバランスが悪くなり、成長期に伸びてくる身長が伸びにくくなる。
・せぼねや骨盤がゆがんでくる。
・痛いところをかばうため、痛みが感じる以外のところも痛み出てくる。
・体のパフォーマンスが低下する。試合で実力を発揮できない。
・運動復帰が遅くなる。
など良いことは1つもありません。
自分1人で悩まず、思い切って、先生、指導者、コーチ、ご両親に打ち明けて、練習や試合を休むことも自分が成長するためにも大切なことです。
次回、当院でみさせていただいている比較的成長期に受傷頻度が高いケガや施術の多い症例を紹介します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。